概要
この本の感想です
なぜ手に取ったか
会社の人が勧めていたのを買って、株式に興味がなさすぎて数年放置していた・・・という本です。 今一度株式を巡るダイナミズムをちゃんと知っておきたいなと思ったので読みました。
全体の感想
まず、今までに明確に知らなかった「クオンツ」のことをちょっと知れたのが良かったです。 本を読むまでの印象では、
- 数式でどうにかして株価動向を予測する人たち
- 一時期の相場を席巻したが、今は期待はずれ気味になっている
- ワールドエンドエコノミカのメインヒロインの立ち位置で、大事な概念
という感じ。 ご想像の通り、雰囲気しかわからないです。(本当によくこれで感動できたな WEE 。。。
感想文
物理学上の概念と株式相場はぱっと見全く関係がなさそうに見えます。 そこに共通の挙動を見出し、物理学の理論からそれをモデル化していった人たちがいた。そして今もその戦場で戦っている人がいる、という物語を知ることができたのが良かったです。
大体こんな流れで説明されるのですが、概観が非常にわかりやすくて共感しやすかったです。
- ランダムウォークという原子の動き方を元に「ランダムな動きをしていること」自体を明確にした理論が先にあった
- ランダムな動きには外れ値が発生することがある
- この外れ値は、「金額の大きさ」ではなく「金額の変動率」に着眼することである程度は説明できる
- それでも説明できない外れ値も発生することがあり、これも含めてモデル化して捉える必要がある
- ルーレットの玉のように、全ての条件を念頭に入れて計算すれば、株価の上下は予測できる。
- 予期せぬ要因も発生することはあるが、それも念頭に入れた上で(つまりリスクも計算して)オプション購入によって大きな金額で取引をすれば得が大きくなる
- 物理学におけるリスクの考え方から、株価の暴落を予測したクオンツも存在する
金融という人の思いの行動の結果を、物理学に端を発する理論から予測することができる、という発想自体が非常に刺激的で、うまく言えないけど学ぶところがあり良かったです。 相場の見方や投資をどうやっていくのか、みたいなものとはまっったく関係ない物語なんですが、それでも非常に刺激と共感があり金融工学系の本ももう少し読みたいな、と思わせる魅力があります。
次はこの辺かな?